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城南信用金庫 理事長 吉原毅 氏
聞き手 立教大学教授 山口義行(スモールサン主宰)

yoshiwara03 「信念の経営」――この言葉ですぐに思い浮かぶのが、城南信用金庫吉原毅氏の経営である。「銀行は利益を目的にした株式会社ですが、私たちは“世のため、人のために尽くす社会貢献企業”なんです」。協同組織金融機関である信用金庫を、自らこう特徴づけて胸を張る信用金庫理事長は多い。しかし、厳しい競争の中で、なんとしても組織を守っていかなければならないのが現実の経営。結果として、本来の理念がいつの間にか単なる「お題目」になってしまっている金庫も少なくない。

 預金規模3兆4000億円。メガ信金と呼ばれ、信用金庫では全国2位の預金規模を誇る城南信用金庫もカリスマ経営者による独裁的経営が長く続いたことで、まさにそんな状況に陥っていた。
 城南信金が本来の理念に立ち返り、その社会的使命を果たしていくためには、強力な権限を持ち、会社組織を私物化さえしている指導部を一掃する以外にない。そう判断した吉原氏は、2010年11月10日不退転の決意をもって定例役員会の場でこう発言した。「理事長の解任動議を提案します。常任相談役も一緒にお辞めいただきたい」。
 12人の理事のうち9人の賛同を得て、当時の理事長とその義父で真の実力者である常任相談役の解任動議が可決された。その後、吉原氏は自ら理事長となって、「理事長の年収は支店長の平均以下の1200万円、全役員の定年は60歳」などドラスチックな改革を押し進め、城南信金を大きく生まれ変わらせてきた。

 そんな吉原氏の経営姿勢を世間に強く印象づけたのが、金融機関としては珍しい「“脱原発”宣言」である。福島第一原発の事故を目の当たりにし、原発の危険性を実感した吉原氏は、この人類史的大問題に目をつぶっていて、城南信金は「“世のため、人のために尽くす社会貢献企業”」と言えるのかと自問。東京電力との真っ向対決も辞さない覚悟で「脱原発」に向けて金庫をあげて動き出した。金庫自身のエネルギー改革を推し進める一方、「原発ゼロでも経済成長は可能だ」として現在も自ら脱原発のオピニオンリーダーとなって社会的発言を堂々と展開している。金融機関経営者としてはまさに稀有な存在である。

 吉原氏の行動に貫かれているもの、それは「信念」にほかならない。今回は、吉原氏自身の言葉で、同氏が目指す「信念の経営」について語っていただくことにした。

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SSNEWS-title2 大田弘子座長 政府税調の大田弘子座長は、とうとう法人税の中小企業向け優遇策の見直しにまで言及し始めた。そのことも含めて、最近、政府税調では矢継ぎ早に中小企業向け実質増税策を議論の俎上にのせている。

  1. 中小企業の法人所得800万円までの部分に適応されている軽減税率15%を取りやめ、大企業と同じ25.5%に引き上げる!
  2. 資本金1億円以下の中小企業も外形標準課税の対象にし、赤字の中小企業からも税金を徴収できるようにする!
  3. 中小企業経営者の給与所得控除を大幅に引き下げるなど、中小企業の「節税策」を封じる。
  4. 繰越控除制度を縮小し、今期の黒字を前期の赤字と相殺して納税を減らすことを抑制させる!
 このままではこうした税制変更が、法人税率の引き下げとセットになって6月発表予定の安倍政権の成長戦略の中に盛り込まれてしまう。そうなったら、中小企業がいくら反対の声を上げても動かない。
 私はこうした処置に理不尽を感じ、繰り返しメディアでその不当性を訴え、先日はそれを知った財務省関係者が私のところに直接ヒヤリングに来るという事まで起きている。ところが、当の中小企業経営者からはほとんど反応がない。 続きを読む »


消費税増税後の落ち込みから景気は本当に急回復するのか?
・4月の「街角景気」、大震災後に次ぐ大幅な落ち込み
・急回復は本当か?~回復しても昨年の水準には戻れない~
・実質所得の低下と新興国不振がもたらす外需の低迷